2006年08月09日

(-.-) ちょっと良いお話7 (-.-)

(-.-) ちょっと良いお話7 (-.-)

ちょっと良いお話ですぅ。

写真は、素材屋さん倉庫で「かくれんぼ」で検索して、見つけた写真ですぅ。

何故か、ねこちゃんででしたぁ~。

私、ねこちゃんより、わんちゃんの方が好きなんだけどねぇ。(-.-)

かくれんぼ


 「もういいよぉー」

 私は娘に聞こえるように大きな声でそう言うと、
 急いで納戸の奥にある本棚と壁のせまい隙間に自分の体を押し込んだ。

 扉の向こうから、パタパタと小さく跳ぶように歩き回る娘の足音が聞こえて来る。
 家じゅうの扉という扉を開け閉めする音と、
  「あれ?ここにもいないなー」
   とハシャいでいた娘の声がだんだんと焦りを帯びて震えてゆくのを、
    私は家具の一部となって膝頭を抱えたまま聞く。

 一人っ子だった私は子供の頃、よく母とかくれんぼをして遊んだ。
 お世辞にも広いとは言えない限られた空間の中で、母は巧みに自分の身を隠した。

 「もーいーかーい」「もーいいよ」 母の答えを確認するやいなや、
  私はドキドキしながら母の姿を探し始める。
 子供がまっ先に思い付きそうな押し入れの中や、トイレの中、
  お風呂場を探してみても、母の姿はどこにも無い。
 だんだんとかくれんぼを始めた頃の高揚感は薄らぎ、
  背後から忍び寄る冷たい心細さに私の胸は塞がれたように痛み始める。

 母はいつも真剣で、子供相手に手加減をしない人だった。
 そんな経験からか、私もすぐに見つけられるような所に隠れるヘマはしない。
 私は息を潜めながら、娘が探しに来るのを、ただじっと待つ。
 かくれんぼで一番大切な事は『気配を消す』事だ。
 自分を殺して家具に、家電に、壁に、荷物に、オブジェになりきる。
 疑問や雑念を抱いてはいけない。

 娘は納戸の扉を開けてはみたものの、
  その奥で体を小さく丸めて掃除機の長いホースを背負っている私には気付かない。
 当然だ。
 私は今、東芝サイクロン式クリーナー(紙パック不要)なのだから。
 娘は諦めて扉を閉めた。
 その瞬間、納戸の中の空気が入れ替わって埃が舞った。

 「ハクション!」 しまった!

 我慢できずにしてしまったクシャミの音を聞いて、
  娘が激しく動揺しているのが扉越しに伝わって来る。
 それでも娘はクシャミの発信源である私の居場所ががわからずに、
  既に半ベソ状態になっているようだった。

 「おかあさーん、どこ? おかあさん・・・ ・・・いない」

 なおも黙り続ける私に、娘がとうとう本格的に泣き始めた。
 私はさすがにあきらめて立ち上がり、自ら納戸の扉を開けた。

 「おかあさん!」 娘は私の姿を見るなり、
  安心してますます激しく泣きながらしがみついて来た。
   (納戸の掃除を怠ってたのが、今回の敗因だな・・・ ・・・)

 私は娘を抱きかかえ背中をトントン叩きながら、次はどこに隠れようかと思案をめぐらせた。




もうずっと、「かくれんぼ」してないけど、どこへ隠れようかなぁ~?

う~ん、難しいけど、屋根裏倉庫かな。

でも夏場は、暑くて大変だぁ~~~。(-.-)


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Posted by たえちゃん at 22:02│Comments(0)ちょっと良いお話
 
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