2006年07月31日

(-.-) ちょっと良いお話1 (-.-)

(-.-) ちょっと良いお話1 (-.-)

ここ一週間ばかりになるかなぁ~。
毎日のように、携帯メールでお話しが送られてくる。
誰からか、分からないけど。

とっても良いお話ばかりなので、「ちょっと良いお話」として、載せていきますね。
誰が書いたのか分かりませんので、ご了承下さいねぇ。

始発バス

 実家の母から電話があった。

 日頃寡黙な父が、夕食の時、珍しく自分から話し始めたという。
 父は、始発バスに乗って出勤している。
 決まった時間に、決まった乗客が、決まった乗車位置で駅に向かう。

 その中には小学4、5年生くらいの少年がいて、
 毎朝、高架下の停留所まで母親に見送られていた。
 心配そうに見上げる母。
 けれども、決して目を合わさない少年の赤くなった両耳を、父は後部座席から眺めていた。
 ある時から、少年は一人で乗ってくるようになった。
 親子に、何かがあったのだろう。

 数週間後。
 いつものようにバスが高架下を右折して、歩道橋に差し掛かった時。
 少年が、急に横を向いた。
 視線の先、錆びた歩道橋の中段には、いつかの母親が隠れるように立っていた。
 母は少し手を挙げて、少年はわずかにうなずく。
 乗客からは見えにくい場所で、誰にも知られずに。
 母親は息子を見つめ、息子は母親に応える。

 「今日はずっと、やさしい気持ちになれたなぁ…」
 父の話を聞いていた母は、途中から食事が喉を通らなくなったという。
 受話器越しの私も、胸が詰まった。

 実家では、両親と妹が暮らしている。
 妹も社会人になり、最近は専ら夫婦二人で食卓を囲むことが多いそうだ。
 広いテーブルに、父と母。
 最近は、めっきり野菜の煮物が多くなったらしい。
 きっと、いつものように、母が一方的に話しているのだろう。
 父は、黙ってうなずいているのだろう。
 そんな中、父がとつとつと話し始める情景が、何故か鮮明に目に浮かぶ。



母親の子を思う気持ちと、うちの両親の事を書いているみたいで、心が温かくなったよぉ~。


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Posted by たえちゃん at 23:59│Comments(0)ちょっと良いお話
 
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